牛乳の種類について知っておく

牛乳にも種類がある?


市販されている牛乳類には4種類あります。表示欄の「種類別名称」というところを見ると、牛乳、成分調整牛乳、加工乳、乳飲料と表示されています。


出典:http://www.milk.or.jp/milk/class.html
東毛酪農業協同組合

牛乳とは牛の乳房から搾った生乳をそのまま殺菌だけをしたもので、乳脂肪分が3%以上、無脂乳固形分が8%以上の製品のことを言います。牧場で搾乳した時点ではまだ牛乳ではなく、生乳(せいにゅう)の状態です。

成分調整牛乳には乳脂肪分を0.5~1.5%にした低脂肪牛乳、乳脂肪分を0.5%以下にした無脂肪牛乳があります。生乳から取り除かれた脂肪分はバターやチーズの原料になりますので、一般的に成分調整牛乳は牛乳よりも安価であることが多いです。

加工乳には生クリームや粉乳を加えた濃厚牛乳があります。加えてもいいものは水と乳製品のみに限定されています。脂肪分を高めた「特濃」や脂肪分を除去した「低脂肪」が多い印象です。

乳飲料は、乳固形分を3%以上含むことを条件に、コーヒーやフルーツ等の牛乳以外の成分を加えた製品のことです。最近、コーヒー牛乳という言葉を聞かなくなりましたが、2000年に起きた雪印の集団食中毒事件が影響しています。この事件によって、牛乳の表記に対する規制が強化され、生乳100%の牛乳にしか「牛乳」という文字が使えなくなったため「コーヒー牛乳」から「コーヒーミルク」などに名前が変わってしまいました。

低脂肪牛乳と低脂肪乳の違い

低脂肪牛乳や無脂肪牛乳は生乳を100%使用し、乳脂肪分だけを調整しているので、低脂肪「牛乳」、無脂肪「牛乳」と呼びます。ちなみに、意識されている方は少ないかもしれませんが、「低脂肪牛乳」と「低脂肪乳」は別物です。

「低脂肪牛乳」については、さきほど説明した通りですが、生乳から乳脂肪分を除去して0.5~1.5%に調整したもので牛乳に分類されます。「低脂肪乳」は特定の乳製品を加えて「低脂肪牛乳」に近い成分に調整されており、加工乳に分類されます。両者は乳脂肪分だけをみると同じでも、栄養的には異なる場合がありますので表示で確認されるのがいいでしょう。

「牛乳」の乳脂肪分について

スーパーで牛乳パックを見ると、「3.6牛乳」や「3.8牛乳」などと表示されていると思いまう。これは乳脂肪分のことですが、牛乳の基準は3%以上です。なぜほとんど全ての牛乳が3.5%以上の乳脂肪分なのでしょうか。

それは1987年に、酪農家は乳脂肪分3.5%以上の生乳の出荷を実質的に義務付けられたからです。農協などの集荷団体によって、乳脂肪分が3.5%以下の生乳は出荷価格が半値にされてしまうルールが導入されました。

放牧をしていると、乳脂肪分は年間を通じて一定にはなりません。水分量の多い放牧地の青草を食べて過ごす春から秋にかけての時期は生乳の乳脂肪分は3%ほどに低下します。冬場は干し草やサイレージ(草の漬物)を食べさせるので、3.5%ほどになります。

これだと酪農家は経営が成り立たないので、放牧から牛舎飼いのスタイルに転換する流れとなりました。濃い牛乳をたくさん出してもらうためには、運動させずに穀物などの栄養価が高い飼料を食べさせることが必要ですからね。

でも、おいしさの基準は乳脂肪分の濃さだけでは測れないはずです。牛乳の原料となる生乳は牛という動物が生産するものです。一年中同じものを食べさせて、年間を通して成分が同じだということに違和感を感じるのは私だけでしょうか。

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