ヤギの妊娠出産について知ろう

ヤギの発情期はどうやって見分けるの?

雌ヤギが発情すると、さかんに鳴く、しっぽを振って挙動が落ち着かない、食欲がなくなる、外陰部も充血、膨張、湿潤状態になります。また、よろこんで雄に近づき交尾を許容するなどします。ヤギの発情は非常に分かりやすいそうなので、発情の発見についてはあまり心配しなくてもいいかもしれません。

一般的に日本ザーネン種は季節繁殖といい、発情期間は8月から翌年の1月頃までで、9月下旬から10月下旬がピークです。ちょうど今くらいですね。これに対して、シバヤギやトカラヤギは周年繁殖で、どの季節にも発情します。雌ヤギの性周期は約21日で発情を繰り返します。

雌ヤギは通常の発情期を迎える夏に猛暑で体力を奪われると、食欲が落ちたり体力が低下して発情が遅れがちになります。また、妊娠しても胎児の育ちが悪くなってしまいます。こういったことを避けるためにも暑い夏は体力を消耗させないよう夜間に放牧をすることが大事です。また夕方から夜にかけて濃厚飼料を与えて栄養をつけさせるといいでしょう。朝や昼間にあげてしまうと体温が余計に上がりやすくなるので注意が必要です。


ヤギの種付けはどうするの?

種付けには自然交配と人工授精の二つの方法があります。自然交配は雄ヤギと雌ヤギを同居させて行います。雄を自分で飼っていない場合は、近所に雄ヤギを飼っている人がいれば借りてきたり、あるいは雌ヤギを連れて行って種付けさせることもできます。優良種保存の場合は、凍結精液や採取した精液を人口受精することも可能です。

育成の雌ヤギは生後6~7ヶ月齢の秋から初冬にはじめての発情を迎えますが、この時期の体はまだ十分に発育していません。早い時期に交配させてしまうと、難産や虚弱児率が高くなり、母ヤギの成長も止まってしまうので、翌秋の明け2歳で交配するのが安全でしょう。


ヤギの妊娠期間はどのくらい?

ヤギの妊娠期間はおよそ150日間です。受胎後3ヶ月くらいからお腹が大きくなり動作も緩慢になります。太りすぎると難産や脱膣など分娩事故につながりやすいので、外に出して、パドックなどで適度な運動をうながします。

ヤギの平均産子数は1.8頭ですので、双子が多いということですね。陣痛から出産までは比較的スムーズで時間も短く済みます。助産が必要な場合は、ヤギの頭を低く腰が高い姿勢を保ち、手を消毒して産道に入れ、胎児を速やかに引き出します。直前になって慌てないように、事前に書籍で勉強したり、獣医さんやヤギに詳しい人からアドバイスをもらうといいと思います。


母ヤギが哺乳しないケースがある!?

初産で神経質なヤギの場合や出産時に飼育者が助産した場合には、母ヤギが子ヤギを追い払ってしまうケースがあるそうです。分娩後1時間以内に子ヤギを母ヤギに接触させて、哺乳できるまで母ヤギを押さえつけることも必要な場合があります。

そこまでしても無理な場合は人工哺乳に切り替えましょう。人工哺乳をする上で一番重要なのはミルクの温度管理です。ミルクを40度程度に保たないと、下痢や発育不全の原因になってしまいます。乳が足りない場合は、他のヤギ乳や人間用粉ミルクでもOKです。万が一、母ヤギが亡くなってしまった場合に備えて、事前に初乳の代用乳も用意しておくと安心でしょう。



2019/10/9追記】

更新が滞っていましたが、2018年4月より念願のヤギの飼育を始めていました。その中で、気づいたことなどを元に、このたび「幸せなヤギ飼いになるための超簡単な7つのステップ」という電子書籍を出版致しました。これからヤギを飼ってみたいと思っている一般の方向けに書いた本です。

理解度チェックテストや動画特典もついており、動物好きの方なら誰でも楽しんでいただけると思います。よく知らないままにヤギを飼い始めて、不幸になる飼い主さんとヤギ。そういう方を減らしたいとの思いで出版致しました。価格は500円です。ご興味のある方はぜひお手に取ってくださいませ。



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください