ナチュラルチーズとプロセスチーズの違い

チーズの概要

チーズは乳を乳酸菌、酵素などで凝固させて作られる製品で、主要なもので400種類、細分すれば2000種類を超すチーズの種類があると言われています。原始的な形態のチーズは紀元前3000~4000年前から製造されていたようです。

ヨーロッパでは古くから各地でチーズが作られていましたが、その土地条件に応じて独特なチーズがたくさん生まれました。ですが、チーズはその農家ごとに製造されるもので、組合生産をへて工業的に生産されるようになったのは19世紀中頃のことです。さらに、プロセスチーズが市場に現れたのは1911年のことであり、その歴史はまだ新しいとみることもできます。

日本で初めてチーズの製造が行われたのは、明治8年北海道開拓七重勧業試験場での試験製造が最初と言われています。その後、工業的製造が行われて市場に販売されるようになったのは昭和4~5年から、大衆商品となったのは戦後のことです。我が国ではチーズという場合はプロセスチーズを指すことが多いですが、ヨーロッパではチーズと言えばナチュラルチーズを指すのが一般的です。

ナチュラルチーズとは

乳を乳酸菌や擬乳酵素で発酵し固めて、熟成させてものをナチュラルチーズといいます。ナチュラルというだけあって、自然で、中の乳酸菌も生きています。どんな品種の生乳を使用するか、どんな菌を使うか(乳酸菌やカビ)、または、その土地の風土によっても形状や風味が大きく変わります。原料乳は乳牛に限らず、ヤギや羊、水牛の乳なども使用されています。

どちらかというと個性の強い製品であり、なかなか日本人の味覚になじまず、また変質しやすいために商品管理も難しいとう事情があって、我が国では一般的商品としてはあまり普及していませんでしたが、海外旅行の増加などによってナチュラルチーズへの理解が深まり、今ではごく一般的に親しまれています。

プロセスチーズとは

プロセスチーズは、ナチュラルチーズに乳化剤などを加えて加熱して溶かし、型に詰めて成形したものをいいます。製造工程で加熱処理をするために、乳酸菌は死滅してしまいます。菌が死んでしまうので発酵が止まり、それ以上熟成が進まなくなります。それによって風味は一定でナチュラルチーズよりも保存性が高くなるのです。

プロセスチーズは複数のナチュラルチーズを混ぜ合わせますが、脂質が分離しないように乳化剤が不可欠です。乳化剤とは水と油などの混ざりづらいものを混ぜ合わせる添加物です。乳化剤にはいろんな種類がありますが、プロセスチーズに使われるのはリン酸塩という乳化剤です。

リン酸塩は胃、腎臓、大動脈にカルシウムを沈着させてしまうので、カルシウムの吸着を阻害し、骨粗そう症を招いてしまうと言われています。毒性は低いので、過剰摂取しなければ問題ないと言われていますが、お子さんのいる方は抵抗があるかもしれません。

ナチュラルチーズとプロセスチーズはどちらがいいの?

ナチュラルチーズの原料は生乳と食塩のみです。チーズ本来の味を楽しみたい、ワインと一緒にこだわりのおつまみとしてチーズを食べたいという方にはナチュラルチーズがいいと思います。

プロセスチーズは品質が安定していて、お手頃な値段で手に入るので庶民には魅力的ですよね。料理に使ったり、お弁当に入れるのであれば保存性の高いプロセスチーズがいいかもしれません。安いものには安いなりの理由があります。製品購入時には原材料表示をよく確認して、なるべく添加物が少ないものを選択するのがリスクを低減する方法です

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください