日本で飼われている乳牛の種類

乳牛の品種

世界には多くの乳牛の品種がありますが、日本の酪農を支えている乳牛の主力品種はホルスタイン種です。我が国で飼育されている乳牛の99%以上を占めると言われています。

この他にはジャージー種、ガンジー種、ブラウンスイス種なども飼育されていますが、ジャージー種以外の乳牛は非常に少ないです。またジャージー種の飼育も秋田県、岡山県、熊本県などのごく一部の地域に限られています。本記事では国内で飼われている乳牛の特徴を書いていこうと思います。

ホルスタイン種


毛色は白地に黒班、もしくは黒地に白班が普通です。日本のホルスタイン種の体高は137~150cmくらいで体重は570~780kgぐらいです。雄牛は体高が160cm、体重が1,000kgくらいあります。我が家の種牛イチロー君は、体高がだいたい155cmくらいでしょうか。十分大きいです汗。

性質は温和で、扱いやすいです。体質は比較的丈夫で気候や風土に対する適応性が大で、とくに寒さには強いです。冷涼な北欧が原産地ですので、暑さには若干弱いです。泌乳能力は乳牛品種の中で最も高く、産肉性にもすぐれています。体重が大きいことから、山地や傾斜地での放牧行動は鈍く、平坦な土地での放牧に適しています。

乳量は1泌乳期間で7,000~8,000kgあり、多い個体だと2万kg以上生産する牛もいるようです。乳脂率は3.5~4.0%程度で、飲用乳に適していると言われています。

ジャージー種


英仏海峡にあるジャージー島が原産地で、小型で良質の乳を効率よく生産する品種です。美しい外貌や可愛らしさもあって世界に広く飼育されています。毛色は、淡い黄褐色から黒褐色で、鼻鏡、下、尾房が黒く、鼻鏡の周りが淡い色で囲まれています。また、一般的には体の上部が濃く、下部は淡い色です。

日本の雌牛の標準体高は115~125cm,体重350~400kgくらいですが、雄牛は体高135cm、体重700kくらいあります。正確は活発でやや神経質です。ホルスタイン種に比べると、暑さにはやや強いですが、寒さにはやや弱いです。

また、運動性がよく放牧に適しており、粗飼料の利用効率が高いと言われています。山地酪農家として有名な岩手県の中洞牧場さんではホルスタインとジャージーの交配牛を急峻な山で飼われています。

乳量は1泌乳期間で3,000~5,000kgであり、ホルスタイン種よりは少ないですが、乳脂率は平均5.1%と高いです。また、脂肪球が大きいのでクリームが分離しやすく、カロチノイドが多く含まれており、きれいな黄色が出るのでクリームやバターなどの加工に適していると言われています。体が小さいので肉量は少なく、肥育性がよいとはいえません。

ブラウンスイス種


スイス原産の牛ですが、乳牛というよりも乳・肉・使役用の三用途兼用の牛です。毛は全身灰褐色の単色で、鼻鏡と口の周辺が白色になっているのが特徴です。乳量は年間4,800kg程度で、年間1万kg泌乳する個体もいるようです。日本では第二次世界大戦後にアメリカから輸入されましたが、泌乳量が少ないために普及はしませんでした。

乳脂率が4%と濃厚で、タンパク質が多く含まれておりナチュラルチーズに適したミルクです。当時は普及しませんでしたが、近年はチーズの加工用に向いていることが認められ、飼育頭数が増えてきています。島根県にある木次乳業さんでは、27年前からブラウンスイス種を本格的な山地酪農で飼育されています。

ガンジー種


イギリス海峡ガーンジー島原産の乳用品種です。正直、わたしは実物を見たこともないのでよく知りません汗。日本国内の飼養にかんして言えば、これまで紹介してきた品種の中では、最も希少だと思います。毛色は淡黄褐色できれいな白っぽいまだら模様が見られます。体型はジャージーに似ていますが、もうひとまわり大きく、骨太です。

性質はジャージーほど神経質ではなく、環境への適応性も高いようです。乳量や乳質はジャージーと変わらず、黄色味が強く、風味がよい乳質が特徴。

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