ヤギのミルクはダイエットにも向いている?

家畜としてのヤギの歴史

西アジアで新石器時代の遺跡からヤギの遺骨が発見されたことから、ヤギの家畜化は牛や羊よりも古いと言われています。初めて搾乳が行われた家畜もヤギで、チーズやバターなどの乳製品の製造もヤギのミルクから始まったそうです。


ヤギの搾乳

ヤギは乳用種である日本ザーネン種では出産後の200~250日間くらいはミルクを出してくれます。初産のヤギの場合は150日くらいです。子ヤギの離乳時期は2ヶ月ほどですので、子ヤギが離乳してからでも搾乳できます。搾乳は朝晩の2回が基本になります。

ヤギのミルクは周囲の臭いを吸着しやすいという特徴がありますので、ヤギ舎とは別の搾乳場を設けるのが理想です。ヤギ舎で搾乳する場合には舎内を清潔に保つことと、搾った乳はすぐに低温殺菌することが必要です。また、雄ヤギは体臭が強いので、雄ヤギの近くで搾乳することは避けましょう。野外の風通しがいい場所で搾乳すると気になるほどの臭いはないそうですよ。


ヤギのミルクについて

ヤギのミルクは滋養と栄養に優れており、体にいい飲み物として古くから親しまれてきました。2011年の全国のヤギの飼育頭数は1万3600頭ほどですが、1957年には全国で約67万頭も飼育されていたそうです。

団塊世代以上の方にとっては、ヤギのミルクは子どもの頃に飲んだ懐かしい味かもしれませんね。近所の60代のおばさんが「母がお乳があまり出なかったから、私はヤギのミルクで育ったんだよ」と言っていました。ヤギのミルクは消化しやすく、下痢しにくいために、動物園でもさまざまな動物たちの哺乳用ミルクとして利用されています。

ヤギのミルクは牛乳と比べると脂肪球の大きさが 6分の1程度と小さくなっています。そのため、消化に優れ、下痢や便秘を起こしやすい人、体力が落ちている人などには絶好の乳飲料といえます。


牛乳との栄養成分の違い

ヤギのミルクは乳質、成分が人の母乳に近いので、昔から母乳が出ないときの赤ちゃんの代用乳として利用されてきました。また、牛乳アレルギーの原因となるαS1カゼインが少ないために牛乳アレルギーの人にも優しいと言われています。ただし、アレルギーの原因物質は他にもあるので、絶対に大丈夫というわけではありません。

栄養成分を牛乳と比較すると、タンパク質、脂肪、ミネラル、カルシウム、ビタミンB 2含有量が優っています。カルシウムは牛乳の約3倍、栄養ドリンクによく含まれていることでおなじみのタウリンは牛乳の約20倍含まれています。さらに脂肪になりにくく体内の脂肪燃焼も助ける中鎖脂肪酸が含まれています。ダイエット効果も期待できそうですね。


ヤギのミルクは加工に適している

ヤギのミルクから作られたヨーグルトやチーズ、アイスクリームなどの乳製品は優れた栄養価をそのまま活かした機能性食品でもあります。ヤギのミルクが発酵する過程では、カルシウムは吸収のよい水溶性となり、乳酸菌や酵素がタンパク質や脂肪を分解します。

乳脂肪には脂肪燃焼を助ける中鎖脂肪酸が多く含まれたままで、なおかつアレルギー性も低く、消化にもよい加工品になります。ヤギミルクはもっと流行ってほしいなと個人的には思っています。

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