はじめてのヤギ飼育 素朴な疑問

ヤギを飼うのには犬のように登録が必要なの?

ヤギを個人で飼う場合には登録の必要はありませんが、家畜保険衛生所に届け出が必要です。また、何頭もヤギを貸し出したり、販売したりするときは動物取扱業の許可が必要です。

日本ザーネン種には血統登録制度があり、血統書付きだと取引価格が高くなります。ヤギには動物愛護管理法が適用されるので、みだらに傷つけたり、遺棄すると罰せられます。法律上、現在ではヤギをはじめ、牛や馬、めん羊などは屠畜場でしか処理できないことになっています。


仕事で昼間は家に居なくても飼えるの?

大丈夫です。一日中ヤギと一緒にいる必要はありません。ヤギ小屋に隣接して運動場を設け、ヤギが自由に出入りできる環境を整えるようにしましょう。運動場の確保がどうしても難しい場合は、犬のように散歩する人もいます。


ヤギは暑さや寒さには強い?

ヤギは過酷な環境にも耐えられる動物です。皮下脂肪が少ないので、寒さに強いとまではいえませんが、気温がマイナス15℃くらいまでなら、ヤギ舎で健康に冬を超すことが可能です。寒い場所では密度の濃い冬毛を蓄えます。以前、長野の酪農牧場にいたときに雄の去勢ヤギがいましたが、外気がマイナス25℃でも畜舎内で元気に過ごしていました。

ヤギは牛と同じように、胃が発酵タンクになって熱源の役割を果たします。ただし雨や雪を避ける屋根のある畜舎は必要です。ヤギは寒さよりも暑さと湿気に弱いと言われています。ヤギは人と違って発汗機能が発達していないため、汗による体温調節がほとんどできません。

そのため、暑い時は熱中症に注意が必要です。直射日光を避け、風通しのいい場所の確保が必要です。また、ヤギは濡れた場所が大の苦手です。ヤギ舎の床は常に乾いた状態を保てるようにする必要があります。


ヤギのミルクってどんな感じ?

ヤギのミルクには、周囲の臭いを吸着しやすい特徴があります。そのため、ヤギ小屋の臭いや雄ヤギの臭いを吸ってしまったミルクは「くさい」と感じます。野外の風通しのよい場所で搾乳したミルクは気になるほどの臭みはありません。

また、青草のみを食べさせるとミルクに青臭さが出ることがあるようです。この場合は、乾草の割合を増やすことで臭いをやわらげることができます。母ヤギは初産のときは150日くらい、2産目からは200~250日くらい搾乳することが可能です。


ヤギの寿命はどのくらい?

ヤギの寿命は10~12年と言われています。長ければ15歳以上、最高齢は20.8歳というヤギも居たそうです。長く一緒にいるためにはヤギが若いころから健康管理に気をつけて、なるべくストレスを感じさせないことが大事だと思います。ミルクを出すのは8~9歳が限度で、その後は体力が衰えてしまいます。

2019/10/9追記】

更新が滞っていましたが、2018年4月より念願のヤギの飼育を始めていました。その中で、気づいたことなどを元に、このたび「ヤギを飼いたいけど何から始めたらいいか分からない人が読む本」という電子書籍を出版致しました。これからヤギを飼ってみたいと思っている一般の方向けに書いた本です。

理解度チェックテストや動画特典もついており、動物好きの方なら誰でも楽しんでいただけると思います。よく知らないままにヤギを飼い始めて、不幸になる飼い主さんとヤギ。そういう方を減らしたいとの思いで出版致しました。価格は500円です。ご興味のある方はぜひお手に取ってくださいませ。

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