花田植えという行事

地域の伝統行事

こんにちは。イチローファームがあるのは、島根県大田市(おおだし)というところです。 自宅と牧場は6キロほど離れているのですが、自宅のある大田市水上町(みなかみちょう)で、本日5月14日とても興味深い行事がありました。

その名も、『水上町花田植』です。これは古くから伝わる伝統行事で、市無形民族文化財に指定されています。毎年開催されるわけではなく、オリンピックのように4年に1度の開催となっています。本来であれば来年が開催予定の年でしたが、今年は、大田市が誇る石見銀山の世界遺産登録10周年にあわせ、変則的に3年ぶりの開催でした。

水上町花田植えの歴史

豊作を願う『田植え囃子(ばやし)』や『早乙女(さおとめ)』の華やかな田植え姿を観ることができますよ。 囃子(ばやし)とは、拍子をとり雰囲気を高めるために添える音楽のことで、早乙女(さおとめ)とは、田植えの日に苗を植える女性のことです。地元の小中学生や高校生、婦人の方々が参加されています。

少し調べてみたところ、この行事は大正時代末まで行われていましたが、戦争で中断されたそうです。そして、 戦後も過疎や高齢化で再び中断されました。 それを1987年に地元の青年団が中心になって復活させて以来、ほぼ4年に1度開かれているそうです。 飾り牛が田んぼの代をかく姿・・・いいですね。 わたしは東北の出身ですので、実はこの行事のことを実際には知りません。こちら大田市にきて3年目ですがようやく見ることが出来ました。

農家から牛が消えていった

昭和30年代に農業の機械化が始まるまでは、各戸に役牛(えきうし)がいました。耕運機が普及してからは、牛は農家から姿を消し、牛と人との交流も少なくなってしまいました。🐮ある年配の方に聞いた話では、夜星朝星(よぼしあさぼし)といって、暗いうちから、鎌で牛にやる草を刈り、それから仕事に出ていたそうです。 牛がいなければ生活できないですから、たいそう大事にされていたと聞きます。

「昔は君みたいな人がたくさん居たんだ。今はいなくなってしまったがなぁ」と言われたことがあります。 動物に感謝し、愛情を注ぐこと。効率化の社会で薄れてしまっているのかもしれませんね…。初めて観ましたが、いい経験になりました。

お米の本来のありがたさ

機械化された現代では忘れてしまいがちですが、豊作を願って行事をし、皆で協力して稲を植える。その後も手入れを続ける…太鼓も、囃子(はやし)も、笛もこころに響きました。神様にも、家畜にも、仲間にも感謝して、ありがたく頂くのがお米なんだなぁ。

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